ドラム缶ロケットストーブの作り方と必要な材料・工具がわかる完全ガイド

ドラム缶ロケットストーブを自作しようと考えていると、煙が多い、燃焼が続かない、安全性が心配など、さまざまな悩みが出てくるものです。こうした課題を解決するポイントは、「断熱」と「空気流路」の設計にあります。たとえば、200Lサイズのドラム(外径約585mm・高さ約890mm)を使用し、断熱層を50〜75mmほど確保し、煙突内径を100〜120mm、全高を2.5〜3.0m程度に設定すると、上昇気流が安定しやすくなり、無煙化が目指せます。さらに、送料や運搬の条件も現実的に検討しておくことが重要です。

本記事では、オープン・クローズドタイプの適性や再生ドラムの安全確認、ロストル高さ20〜40mmの理由、エルボ(曲げ部分)を「できるだけ0〜1個」に抑える設計方針、そして初回着火で無煙化へ導く調整手順に至るまで、購入時や仕様確認時の注意点も交えて体系的に解説します。

効率と安全性の両方を重視したい方は、まずは垂直上昇管の温度保持と二次空気の予熱化について理解しながら読み進めてください。

ドラム缶ロケットストーブの全体像と仕組みを最速で理解する

ロケット燃焼の要点と上昇気流の作り方

ロケット燃焼とは、燃焼室内で木質燃料を一次空気で素早くガス化し、上昇管内で高温状態を維持したうえで二次空気を混合することで、高効率かつほぼ無煙の燃焼を実現する仕組みです。ここで重要なのは三つのポイントです。最初に、一次空気は燃料の根元に短い経路で供給し、ロストルで灰を分離して燃焼の持続性を高めます。次に、上昇管を断熱することで内部温度を高め、ドラフト(上昇気流)を強化します。これにより、燃焼ガスがスムーズに引っ張られ、二次燃焼が安定します。最後に、二次空気は上昇管の中腹から予熱して導入することで、木タールの酸化反応が進み、煙の白濁が大幅に軽減されます。ドラム缶を外装に使う場合は、内部の燃焼ユニット(L字またはJ字型の燃焼路)を金属管と断熱材で構成し、ドラム缶の空間を熱交換および安全シールドとして活用する設計が扱いやすいです。

  • 一次空気は短く直線的に供給し、燃焼の失速を防ぐ
  • 二次空気は予熱して導入し、タールをしっかり酸化
  • 上昇管は断熱で高温維持し、ドラフトを最大化

これら三つの要点を押さえておくだけで、ロケットストーブの特徴である強い上昇気流を体感できます。

熱が集中する経路とドラフト強化のコツ

ドラフトを強く安定させるためには、垂直上昇管の温度保持と空気流路の直進性がカギです。上昇管には耐熱鋼パイプや耐火れんがスリーブを芯材とし、その外周をパーライトやロックウールなどの断熱材でしっかり充填します。熱が外部へ逃げにくいほど内部は高温となり、軽くなった排気が強い上昇流を生みます。また、曲がりは最小限に止めるのが基本で、吸気口から燃焼室、上昇管、煙突までの合計曲率を抑えるほど抵抗は少なくなります。特にドラム缶内部に収めるときは、J字型燃焼路の寸法比(フィード口:燃焼水平部:上昇管)を小さい方から1:2:4前後にすると、実用上のバランスが取りやすくなります。さらに、煙突は上昇管よりも断面積を同等もしくはやや大きめに設定し、屋外で十分な立ち上げ高さを確保してください。初回着火の際は、乾いた細い薪を使って上昇管を一気に暖めると、逆流や息継ぎの発生を抑制できます。

ドラム缶を使うメリットとデメリット

ドラム缶を外装に利用する利点は、手に入りやすさと加工のしやすさ、そして大きな容積による熱の包容力にあります。200L級のドラム缶は、ホームセンターや中古流通などで見つけやすく、カットや穴開けも一般的な工具で十分対応可能です。反面、重さや保管スペース、運搬の手間といった現実的な課題もあります。屋外で設置する場合は設置面の水平可燃物との十分な離隔が必要で、本体表面も高温になるためシールドやガードを設けるとより安全です。以下の表は、ドラム缶使用時の要点をまとめたものです。

観点 メリット デメリット
入手 比較的調達しやすい、価格も現実的 無料での入手は難しい場合もある
加工 切断・開口がしやすく、パーツ追加も簡単 切断時の火花や騒音には配慮が必要
性能 大きな容積で熱を緩衝し、煙突や断熱も収めやすい 本体が高温になりやすく、シールドが必要になることも
運用 調理や暖房など幅広い用途に活用できる 重量や保管場所、配送手配が課題になることがある

目立ちやすい外装ゆえに、安全対策をあらかじめ組み込んだ設計が快適さと安心感を左右します。購入前には仕様や状態の確認も忘れずに行いましょう。

ドラム缶の選び方と入手方法に関する実践ガイド

オープンドラムとクローズドラムの適性と注意点

ドラム缶ロケットストーブを自作する際には、オープンドラムかクローズドラムかを見極めることが大切です。オープンドラムは上蓋が取り外せて作業がしやすく、大きな開口部の加工や灰の清掃が簡単で、締付けバンドを再利用すれば比較的高い気密性も得やすいのが魅力です。一方、クローズドラムは天板が密閉されているので強度や気密性が高い反面、開口加工の切断範囲が広くなるため難易度が上がるという特徴があります。いずれの場合も、吸気・排気や煙突の貫通部は気密性が燃焼効率に直結するため、継手やフランジ、耐熱シール材などで隙間をできるだけ埋めることが重要です。特にロケットストーブの構造では、二次燃焼を支える上昇気流が非常に大切です。ロストル周りの吸気経路を塞がないように設計し、締付けバンドは変形や歪みがないか点検し、再加熱時にも緩まない固定方法を選択すると長期使用でも安心です。

  • オープンドラムは清掃・開口が簡単で初心者にも向く
  • クローズドラムは強度と気密性が高い反面、切断加工が難しい
  • 煙突や吸気部は耐熱シール材で隙間をしっかり対策
  • ロストルと吸気経路は塞がず設計することが燃焼効率向上のカギ

補足として、屋外使用を前提に十分な離隔距離を確保し、試運転で煙の逆流がないかを確認することでトラブルを回避しやすくなります。

再生ドラムや中古選定の安全基準

再生ドラムや中古品を選ぶときは、内容物履歴の開示洗浄状態の確認が最も重要です。もし可燃性の溶剤や油脂が残っていれば、加熱時に危険が増し、異臭や有害ガスの発生源にもなります。入手時には「どんなものが入っていたか」「どの溶剤で洗浄されたか」「乾燥は十分か」を確認し、危険物の残臭がある場合は避けるのが安全です。錆や歪みについては部位ごとに判断します。外面の表面錆であれば研磨や耐熱塗装で対応できますが、シーム溶接部の深い腐食や底の座屈は強度低下のサインです。内部コーティングにはエポキシやラッカー系などがありますが、高温で劣化・剥離して煙突内にフレークが混入する場合もあるので注意してください。完全に除去できない場合は、燃焼室や二次燃焼部に接しない配置を検討しましょう。打痕、ピンホール、漏れ跡は目視と石鹸水でしっかり確認し、初回着火時には少量の薪で段階的に温度を上げて残留物の挙動を見守ると安心です。

確認項目 基準の目安 回避・対策
内容物履歴 可燃物・薬品は詳細を確認 不明な場合は購入を見送る
洗浄状態 脱脂・乾燥済みが理想 臭い・油膜が残る場合は再洗浄
錆・歪み 構造部の深錆・座屈は不可 研磨で除去できる表面錆は使用可
内部コート 高温下での劣化が懸念 物理除去または高温部から分離配置
漏れ・穴 ピンホールがないこと 石鹸水で微漏れ検査を実施

短い時間でのチェックでも、これらの項目を押さえておけば、後々の加工や安全面でのリスクを大幅に減らせます。

ドラム缶のサイズと価格の目安と運搬の注意

標準的な200Lドラム缶は外径約585mm前後、高さ約880〜900mmが一般的なサイズです。ロケットストーブ用途では、この容量が燃焼室や断熱材、煙突を効率よく配置できるため、扱いやすい大きさといえます。価格は新品・再生品・中古品で幅がありますが、再生品や中古品は価格面でメリットがある一方、選定基準の厳守が必須です。ホームセンターなどでの取り扱いは限定的な場合もあるので、在庫や取り寄せ、送料などの条件を事前に確認しておきましょう。大型荷姿のため、配送は車上渡しや路線便が多く、受け取り時には台車やキャリー、軍手、養生材の準備があると安全です。運搬時は転がして移動するのではなく、ラチェットベルトで固定して直立保持が基本です。階段や段差は二人以上で、エッジの当たりを避けるため角に養生材を当て、塗装剥離による錆の進行も抑制します。設置時には水平を確保し、煙突やパーツの自重に耐える脚部と固定を先に整えておくと、初回の燃焼がスムーズにいきます。

  1. 受け取り前に配送条件と荷姿を確認しておく
  2. 台車やキャリー、固定具を準備して安全に運ぶ
  3. 設置面を水平化し、煙突と本体の固定作業を先行する
  4. 少量の燃料で試運転し、漏れや逆流の有無を点検する

こうした準備をしっかり行えば、ドラム缶ロケットストーブ自作の初歩でつまずくことなく、効率よく制作と調整が進められます。

必要な材料と工具を最小構成で用意するコツ

断熱材とロストルと煙突の選び方

ドラム缶ロケットストーブを無駄なく仕上げるためには、断熱・燃料支持・排気という三つの要素を最適化することが重要です。断熱材にはバーミキュライトやロックウールなど、高耐熱かつ加工しやすい素材が適しています。燃焼筒の外周をしっかり断熱することで、強いドラフトと高効率の燃焼が得られます。ロストルは薪の下から空気を通し、灰が落ちる隙間と薪をしっかり支える強度の両立がポイントです。煙突は二重断熱型が有利で、着火の立ち上がりが速く逆流しにくいため、屋外での使用でも安定します。ホームセンターで入手可能な汎用品でも、構造のポイントを押さえれば十分実用的ですが、耐熱性と気密性を優先して選ぶと失敗が少なくなります。自作の自由度は高いものの、部材選びが性能に直結するため、最小限の構成でも要所はしっかり選ぶのがコツです。

  • 断熱材は軽量かつ耐熱性の高いものを選ぶこと
  • ロストルは通気性と灰落としのバランス重視
  • 煙突は二重断熱型で立ち上がりの安定化を図る

短時間での立ち上がりと煙の少ない燃焼を目指すなら、断熱と排気の確実性をまず固めることが近道です。

煙突径と長さの目安と継手構成

煙突の設計はドラフト量に大きく影響します。標準的な200Lドラム缶を使用する場合、内径100〜120mm程度の縦煙突が扱いやすく、全高は地面から2.5〜3.5m程度が目安です。煙突が長すぎると抵抗が増え、短すぎると上昇気流が弱くなります。エルボは極力減らし、曲げが必要な場合は90度ではなく45度を2回使うと流れが滑らかです。継手は差し込み方向を下流側へ統一し、耐熱シール材で目地を薄く連続封止することで、漏れやタールの垂れを防ぎます。屋外で風の影響が強い場合は、トップに整流キャップを組み合わせると逆流対策に役立ちます。縦方向の直線区間を長く、継手は最小限で気密重視、この三つの条件で安定性が大きく向上します。

項目 推奨の目安 注意点
煙突径 100〜120mm 小さすぎると詰まりやすい
全高 2.5〜3.5m 風の影響で変動するため余裕を持たせる
エルボ 0〜2個 45度を優先し、90度は避ける
継手 差し込み順を統一 耐熱シール材で薄く連続封止

こうしたポイントを押さえて設計すれば、点火時の再現性が高まり、ドラム缶ロケットストーブの燃焼効率も安定します。

ロストル素材と高さ設定のポイント

ロストルは高温にさらされるため、耐熱鋼(SUS304/310系)や鋳鉄が現実的な選択肢となります。パンチングメタルを使用する場合は、厚みと開口率のバランスに注意し、たわみや熱歪みを防ぐため周囲を角材で補強すると長持ちします。高さ設定は、吸気と灰落としの両立を考えて、燃焼室の床から約50〜80mmが目安です。下部からの空気が確実に入り、灰も滞留しにくくなります。隙間が狭すぎると酸素不足、広すぎると薪が不安定になりやすいので、適度なバランスが大切です。取り外して清掃できる構造にしておけば、長期使用でも性能が落ちにくくなります。強度・通気・メンテナンス性の三つの条件を満たすことで、ロケットストーブ特有の軽快な燃焼音と高い熱効率が再現されます。

  1. 素材は耐熱鋼または鋳鉄を選ぶ
  2. 床から50〜80mmの高さで吸気と灰落としを確保
  3. 補強と着脱機構で耐久性と清掃性を両立
  4. 開口率は過不足なく設計し、たわみ対策を施す

高さを微調整できる台座を用意しておけば、薪の種類や含水率の違いにも柔軟に対応できます。

加工工具と固定金具の必須リスト

ドラム缶の加工で重要なのは、切断・穴あけ・固定・気密の四つの工程です。サンダー(切断砥石や切削ディスク)は開口や整形に、ホールソーは煙突や吸気口の丸穴加工に最適です。固定作業はリベットやボルトナットでしっかりと行い、耐振動ワッシャーを併用すれば緩みを防げます。継手やフランジには耐熱シール材を薄く塗布し、高温対応のアルミテープやクランプで仕上げると漏れ防止に効果的です。安全面では革手袋・保護メガネ・防じんマスクを必ず用意し、火花対策として耐火シートを敷くと安心です。必要最小限で揃え、肝心な箇所は品質にこだわるのが作業効率アップの秘訣であり、結果として作業時間やトラブルを減らせます。

  • サンダー/ホールソーで正確に加工を行う
  • リベット/ボルトナットでしっかり固定する
  • 耐熱シール材やクランプで気密と耐久性を確保

工具と金具の選び方が適切なら、ロケットストーブの構造がしっかり保たれ、運搬や設置時の耐久面でも安心して利用できます。

寸法テンプレで失敗を防ぐドラム缶ロケットストーブ設計の秘訣

垂直上昇管と燃焼室の比率と断熱厚の目安

ドラム缶を使ったロケットストーブの心臓部は、強いドラフトを生み出す垂直上昇管にあります。安定した燃焼と高い再現性を目指す場合、燃焼室(水平の一次燃焼部)と上昇管の断面積をおおむね同等に設定し、入口部分をやや絞る設計が広く推奨されています。適切な比率は断面積で1:1~1:1.2、高さの比は燃焼室の有効長さに対して上昇管を4~6倍にすると、確実かつ安定した一次空気の流入が得られます。標準的なドラム缶サイズの場合、内径100~120mm程度の上昇管を想定し、その内側を40~75mmの厚さで連続した断熱層で覆うことで高温を保持しやすくなります。断熱材はバーミキュライトやパーライトに耐熱モルタルを混ぜて使用する方法が扱いやすく、さらに外装との間に10~20mmの空気層を設けることで、熱歪みを効果的に緩和できます。上昇管の頂部は蓋側から最低150mmは離し、排気の折り返しによる渋滞を防ぎます。もし温度が思うように上がらない場合は、上昇管の断熱層を追加し、燃焼室の角を面取りして流れを整えると、さらに効率アップが期待できます。

  • 比率の基準: 断面積1:1~1:1.2、高さ比4~6倍
  • 断熱厚: 40~75mm、外装との隙間10~20mm
  • クリアランス: 蓋側から150mm以上確保

これらの設計ポイントを守れば、着火後の温度上昇が素早くなり、煙突の負圧により煙の逆流が起こりにくくなります。

吸気と二次空気導入の位置と開口寸法

吸気口の設計では、単に開口面積を大きく取るのではなく、「空気の質」にこだわることが重要です。一次吸気の開口は上昇管断面積の45~60%を基準に設け、スライド式回転式の調整機構を備えると細かな空気量の制御が容易になります。燃焼室入口付近から床面沿いに一次空気を導入し、火床で燃料と空気をしっかり混合させることで、ロストル上の燃え残りが減り効率が向上します。二次空気は、上昇管手前の高温域で予熱してから投入することが特に効果的です。具体的には、燃焼室の外周に細いパイプを這わせて空気を温め、上昇管入口の上縁から20~40mm下に向けて小さな孔を等間隔で設置します。これらの孔の合計断面積は上昇管断面の5~10%が目安となり、孔径は3~6mmをバランスよく分散させることで炎冠が安定します。二次空気が多すぎると温度低下を招くため、一次吸気でドラフトを形成してから徐々に開けていく使い方が安全です。屋外で使用する場合は、吸気口に風防短いダクトを追加すると風による逆流リスクを減らせます。

項目 推奨値・位置 ねらい
一次吸気開口 上昇管断面の45~60% 着火性とドラフトの両立
二次空気合計断面 上昇管断面の5~10% 未燃焼ガスの後燃焼
二次孔の位置 上昇管入口上縁から-20~-40mm 炎冠の形成と煙低減
二次孔径 3~6mmを等配 微調整と詰まり抑制

これらの寸法は標準的な出発点となるため、素材や使用環境によって微調整できる構造にしておくとより安心です。

灰受けと清掃性を高める底部設計

日々のメンテナンスを楽にするためには、灰が自重で落ちる底部設計が効果的です。ロストルは耐久性を重視し9~12mmの丸鋼や耐熱パンチングを使用し、隙間は8~12mmを目安に設定すると、燃料が落ちすぎず通気も良好です。灰受けは燃焼室直下に独立したトレイを設置し、前面の灰落とし扉から引き出せる構造にすると、日常清掃が数十秒で終わります。扉と本体の接合面には耐熱パッキン(編組グラスファイバーなど)を用いて空気漏れを防ぎ、燃焼の乱れを抑えます。点検口は100×100mm以上の開口があると、火ばさみやブラシがスムーズに入りやすく、底部に微傾斜をつけて灰が自然にトレイへ流れるようにすると詰まりが起きにくいです。脚部は3点支持で構造の歪みを減らし、灰受けトレイは落下防止ストッパー付きレールでしっかり保持します。高温部は必ずリベットやボルトで確実に固定し、溶接部の熱歪みが灰受けの脱着を妨げないように逃げ代を確保しておきましょう。

作り方の手順の完全ガイド

本体加工と部材フィッティングの順番

ドラム缶を活用したロケットストーブは、マーキング→開口→仮組み→本固定の順序で作業すると安全かつ効率的に完成します。はじめに吸気口、燃焼室、煙突の位置を外周に下書きし、各部の干渉を可視化します。切断作業には火花が少なく制御しやすい工具を選び、切り口は必ず面取りとバリ取りを施して安全性と気流のスムーズさを両立させます。仮組み段階では、ロストルや二次空気導入用の部品、煙突の差し込み深さを調整し、通風の直線性立ち上がり部の密閉性を確認します。ここで水平器などを使い、本体の傾きや煙突の垂直度をしっかり合わせると、燃焼効率のロスを抑えることができます。固定作業は高温部から先に点付けし、熱による歪みが出る前に対角順締めで均一に仕上げるのがポイントです。最後に扉や清掃口の開閉具合を点検し、ガタつきやエアリーク(空気漏れ)がないかをチェックします。

  • ポイント
  • 仮組みで通風や部品干渉を先に確認
  • 切り口の面取りで安全と気流のスムーズさを確保
  • 煙突は垂直、燃焼室は直線流を徹底する

安定性を高める脚部や台座の固定

大型ドラム缶は加熱により伸縮しやすいため、三点支持で水平を出すと安定性が高まります。脚は三角形に配置し、長さを揃えて調整しやすくし、地面側には滑り止めや耐熱パッドを併用します。溶接やボルト固定の場合、脚の付け根にはL字補強やリブを加え、熱が集中する燃焼室側へ応力が集中しないよう分散します。台座を用いる場合は、鋼板や耐火レンガで不燃・水平を確保し、重い鍋や器具を載せても撓みが出ない十分な厚みのものを選びましょう。塗装は高温部に耐熱塗料を、非高温部には防錆重視の塗料を使い分けると長持ちします。屋外で使用する場合はアンカー固定や転倒防止ワイヤも併用し、強風時の揺れを防ぎます。最後に本体の重心線が脚の範囲内に収まっているか確認すると、より安心して使えます。

確認項目 推奨仕様 ねらい
支持点 三点支持 接地ズレでもガタつき低減
補強 L字/リブ追加 熱変形とぐらつき抑制
台座 耐火・水平・不燃 着火時の安定と安全性
塗装 耐熱と防錆の塗り分け 耐久と外観維持
固定 アンカー/ワイヤ 風による転倒対策

台座や脚部の剛性を事前に整えておくと、本体の組み付けがスムーズに進み、位置ズレも起こりにくくなります。

初回着火と調整で無煙化へ到達させるコツ

初回の着火では、乾燥した細薪やペレットを用いて小焚きから段階的に温度を上げていくことがポイントです。吸気量は最初は控えめにし、煙突のドラフトが効きはじめたら二次空気を少しずつ調整し、炎が燃焼室の奥へしっかり引き込まれるようにします。炎の先端が煙突の根元で白く輝き、煙がほぼ透明になれば、無煙化に近づいているサインです。湿った薪や過剰な燃料の投入は不完全燃焼を招くので避け、ロストル上には隙間を空けて積む方法を意識してください。もしにおいや黒煙が出る場合は、吸気経路の詰まりや空気漏れ、煙突の垂直度を再確認します。運転が安定したら給気量をやや絞り高温二次燃焼を維持し、燃料の投入量と空気量のバランスを体で覚えていきます。消火時は燃料を追加せず、自然に火が消えるのを待ち、灰は完全に冷えてから金属容器で処理しましょう。

  1. 乾燥した燃料で小焚きからスタート
  2. ドラフトが効いてきたら二次空気を微調整
  3. 煙の透明化と炎の奥への引き込みをチェック
  4. 吸気量と投入量で高温維持を覚える
  5. 自然減火後に安全な処理で後片付け

屋外設置と安全対策の基礎から応用まで

火の粉対策と遮熱および転倒防止のポイント

ドラム缶ロケットストーブを屋外で安全に使うためには、火の粉の抑制、輻射熱管理、そして堅牢な固定が重要です。火の粉対策はスパークアレスターの装着が基本で、目開き約2〜6mmの耐熱金網を使うと、内部の排気流速を損なわずに火の粉を抑制できます。遮熱は遮熱板を燃焼室の側面や背面に設置し、空気層を15〜30mm確保すると温度低減効果が高まります。可燃物との距離は1m以上を目安に取り、風が強い状況ではさらに距離を広げてください。転倒防止策として、アンカー固定広い台座を用いると転倒リスクを減らせます。脚部の三点支持は地面の凹凸でも安定しやすく、四点支持は横方向の荷重に強いという特徴があります。燃焼が進むにつれて上昇気流が強まり、煙突先端の負圧で火の粉が上昇しやすくなるため、煙突トップの仕上げと耐熱クリアランスも同時に最適化することで、全体の安全性がさらに向上します。

  • スパークアレスターは耐熱金属製を選択
  • 遮熱板は空気層を確実に設けて設置
  • 可燃物との距離は1m以上、風が強い場合はさらに広げる
  • アンカーや広い台座で転倒を予防する

これらのポイントを押さえれば、燃焼効率を損なうことなく安全性を向上させやすくなります。

煙突トップの処理と耐熱クリアランス

煙突トップの仕上げは、安全とドラフトの両立を左右します。基本的にはT字型やH字型、あるいは傘型トップカバーから選び、設置場所の風向や周囲の障害物に合わせて排気がスムーズに流れるものを使います。屋根や庇に近い場合は、耐熱クリアランスを十分に確保し、可燃物からは1.5m以上、金属屋根でも300mm以上の距離を取ると安全です。上昇気流による排気温度の上昇を考慮し、トップ部は断熱二重管や耐熱塗装を施して結露やタールの付着を抑えると、メンテナンス頻度の低減につながります。雨仕舞いはトップカバー+側面排気スリットで吸気を妨げず、スパークアレスターと干渉しない寸法設定が重要です。仕上げには支持ステーで煙突を2方向以上から固定し、強風時の揺れや火の粉逆流、継手の緩みを抑えます。

項目 推奨仕様 目的
トップ形状 H字または傘型カバー 逆風時の失速を抑制
離隔距離 可燃物1.5m以上 着火・焦げの防止
先端部 二重管・耐熱塗装 温度管理と結露抑制
保持方法 2方向以上の支持ステー 強風時の安定性向上

上記の基準は屋外利用時の一般的な目安です。設置場所の風環境や使用材料に応じて、余裕を持った設計を心がけてください。

煙突トップの処理と耐熱クリアランス

効果的な安全確保の流れは次の通りです。ドラム缶ロケットストーブの排気性能を維持しながら、より広い安全域を実現します。

  1. トップ形状を設置環境に合わせて選定し、スパークアレスターの網目や径の干渉を確認します。
  2. 可燃物や屋根材との位置関係を実測し、必要な離隔が取れる煙突ルートと支持ステーの場所を決めます。
  3. 先端部を二重管化し、断熱材や耐熱塗装で温度上昇を制御します。
  4. トップカバーを装着し、側面の吸排気スリットで雨仕舞いとドラフトを両立させます。
  5. 仕上げにすべての継手の緩みや鉛直度を再度確認し、試運転で逆流や火の粉漏れがないか点検します。

各工程で離隔距離の数値管理固定強度の徹底を意識しておくと、長期運用でもトラブルを防ぎやすくなります。

会社概要

会社名・・・ 及川鉄工株式会社
所在地・・・〒003-0869 北海道札幌市白石区川下641番地
電話番号・・・011-874-0973

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